はじめに:50代で仕事探しをやめたら、今度は「お仕事は?」に悩むようになった
以前の記事で、私は仕事探しをいったんやめたことを書きました。
今年1月、収入の半分以上を占めていたメインの仕事がなくなり、収入が大きく減りました。不安になって次の仕事を探し始めたものの、求人を探し、応募し、面接を受け、結果を待つ。その繰り返しに疲れてしまい、いつの間にか「仕事を探すこと」そのものが、私のメインの仕事のようになっていました。
そこで、いったん職探しをやめました。
今の私が大切にしたいのは、在宅で働けること、時間や組織に縛られすぎないこと。そして、更年期の体調や家のことを抱えながら、無理なく続けられることです。
そんなふうに、仕事について少し立ち止まった私ですが、別のところで悩みが出てきました。
それが、「お仕事は?」と聞かれたとき、なんと答えればよいのかわからない問題です。

【この記事の主な内容】
・フリーランスの仕事は説明しづらい
・田舎では家にいることや仕事のことを気にされやすい
・更年期の体調を守りながら、自分のペースで暮らしたい
在宅フリーランスだと「どんな仕事?」と聞かれて答えに困る
私はフリーランスとして、家で仕事をしています。
パソコンに向かって作業をし、基本的にはチャットでやり取りをしながら、必要に応じてリモートで打ち合わせをすることもあります。
ある程度余裕を持った納期の仕事が多く、自分でスケジュールを調整して仕事を進められる環境です。納期に合わせて計画的に仕事を進めており、会社に通勤しているわけではありませんが、きちんと仕事をしています。
ただ、「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれると、いつも少し返答に困ってしまいます。
「フリーランスです」と答えても、それだけでは伝わらないことがあります。会社員なら会社名や職種、自営業ならお店や仕事内容を説明しやすいかもしれません。でも、フリーランスの場合は複数の仕事を掛け持ちしているため、仕事内容や契約先によって説明が変わるのです。
そのため、私自身どこまでどうやって話せばよいのか迷います。
詳しく説明したところで、相手にとっては馴染みのない仕事かもしれません。逆に簡単に答えると、「具体的には何をしているの?」と、さらに説明を求められることもあります。
仕事の内容を聞かれること自体が嫌なわけではありません。ただ、毎回その場で、相手に伝わる言葉を考えなければならないことに疲れてしまうのです。
どんな仕事をしているのか。どこから仕事を受けているのか。そんなところまで聞かれたら、どこまで答えるべきなのか、ますますわからなくなります。
田舎では「お仕事は?」が挨拶代わりになる
私が住んでいるのは、かなりの田舎です。
田舎に住んでいると、「お仕事は?」という質問は、挨拶の一部のように感じることがあります。初対面の人だけでなく、顔見知りの人からも、自然な流れで仕事のことをよく聞かれます。
もちろん、相手に悪気があるとは限りません。
天気の話をするように、仕事の話をしているだけなのかもしれません。けれど、田舎では人と人との距離が近く、生活の様子も見えやすいものです。
どこで働いているのか。毎日家にいるのか。車があるのか。誰と暮らしているのか。
都会に比べると、仕事や暮らしのことが話題になりやすいように感じます。
特に、私のように一日中家にいることが多い人は、「いったい何をしている人なのだろう」と思われやすいのかもしれません。
会社に出勤していれば、働いていることが外からもわかります。でも、家で仕事をしていると、外から見ただけでは仕事中なのか、休んでいるのか、家事をしているのか、まったくわかりません。
だからこそ、余計に気になる人もいるのでしょう。
一日中家にいると近所の人の視線が気になる
在宅で仕事をしていると、当たり前のことですが家にいる時間が長くなります。
仕事の合間に洗濯をしたり、家事をしたり、体調がよくない日は一日中パジャマでお昼近くなってから洗濯物を干すこともあります。外から見れば、いつも家にいて気ままに過ごしている人に見えるかもしれません。
私は、近所の人の視線が気になることがあります。特に女性の視線は、なぜか敏感に感じ取ってしまいます。
庭に出たとき、車に乗るとき、ゴミを出すとき。誰かと顔を合わせると、「また家にいると思われたかな」と考えてしまうことがあります。
実際に何か言われたわけではなくても、こちらが勝手に気にしてしまうのです。
「家にいるだけで、何か悪いのかな」
そんなふうに思ってしまうこともあります。
でも、家にいる時間が長いのには理由があります。私は家で仕事をしていますし、更年期の体調に波もあります。腰痛が気になる日もあれば、外に出るだけで疲れてしまう日もあります。
外に出ていないからといって、何もしていないわけではありません。それなのに、家にいる姿だけを見て判断されているように感じると、少し苦しくなります。
人の目を気にしすぎるのはよくないとわかっていても、田舎で暮らしていると、なかなか簡単には切り替えられません。
警察でも、事故でも、銀行でも。「お仕事は?」に戸惑うフリーランス
私の住んでいる地域では、駐在の警察官が入れ替わるたびに、一軒一軒ご挨拶に来られます。
そのとき、毎回夫と私の職業を聞かれます。夫の会社名も伝えなければいけません。
地域の安全のために、住民のことを知っておく必要があるのだと思います。もちろん、挨拶に来てくださること自体は、ありがたいことです。
ただ、「フリーランスです」と答えても、それだけでは納得してもらえません。
「具体的には、どんなお仕事ですか?」
そんなふうに、もう少し詳しい説明を求められます。
私は複数の仕事を掛け持ちしているため、そのたびに、どう説明すればよいのか考えてしまいます。
フリーランスという働き方が、まだ一般的にはわかりにくいのかもしれません。けれど、私にとっては、これが仕事の形です。
さらに先日、駐車場で隣の車のドアにぶつけてしまい、警察を呼ぶことがありました。
事故の対応で警察の方と話しているときにも、仕事について聞かれました。そのときも、やはり「フリーランス」「個人事業主」だけでは十分ではなく、具体的な仕事の内容を説明することになりました。
もちろん、事故の確認に必要な情報だったのだと思います。
それでも、「ここでも仕事を詳しく説明するのか……」と、少し疲れてしまいました。
そして先日、銀行で金融商品を購入するために口座開設をしたときのことです。
詳しく聞かれたら嫌だなと思い、仕事の内容も書いておきました。
しかし、それだけでは許してくれませんでした。
「お取引先の社名は、お教えいただけますか?」
「え、そこまで聞く?」
思わず、心の中でツッコんでしまいました。
もちろん、銀行にも必要な確認があるのだと思います。それは理解しています。
ただ、警察でも、事故でも、銀行でも、仕事について詳しく説明することになると、なんともいえない戸惑いがあります。
仕事をしていることを隠したいわけではありません。
ただ、フリーランスという働き方を、毎回その場で説明しなければならないことに、少し疲れてしまうのです。
「フリーランスです」
そのひと言で、ひとまず職業として受け止めてもらえたらいいのにな、と思います。
私のように、ひとつの仕事だけではなく、いろいろな仕事を掛け持ちしているフリーランスの場合、こういうときは、いったい何と答えるのが正解なんだろう……と、いつも少し考えてしまいます。
親戚に「何の仕事をしているの?」と聞かれて困る
仕事について聞かれて困るのは、近所や警察の方だけではありません。
親戚の集まりでも、自分の仕事をどう説明すればよいのかわからなくなることがあります。
親戚同士で集まると、近況報告のように仕事の話になることがあります。会社勤めをしている人なら、「どこで働いている」「何の仕事をしている」と説明できます。
でも、私はフリーランスです。
仕事内容を細かく話しても、かえって説明が長くなってしまいます。簡単に話せば、仕事をしていることが伝わりにくいかもしれません。
そして、仕事の話をしているうちに、収入や仕事量の話になったらどうしよう、と考えてしまいます。
私は、自分の働き方を恥ずかしいと思っているわけではありません。
ただ、会社員でもなく、店舗を構えた自営業でもなく、家で仕事をしているフリーランスという立場を、どのような言葉で伝えればよいのかが難しいのです。
家にいるからといって仕事をしていないわけではない
家にいる時間が長いと、周囲からは「自由に過ごしている人」に見えるかもしれません。
でも、家にいるからといって、何もしていないわけではありません。
仕事をして、家事をして、家族のことを考えて、自分の体調にも気を配る。目に見える成果がなくても、毎日やることはあります。
特に50代になると、若い頃のように無理がきかなくなります。
更年期の影響で体調に波があったり、疲れが抜けにくかったり、以前なら簡単にできたことに時間がかかったりします。
だからこそ、私は今の自分に合う働き方を選びたいと思っています。
外に出て働くことだけが仕事ではありません。決まった時間に会社へ行くことだけが、きちんとした働き方でもありません。
家で働くこと。自分で時間を調整すること。体調に合わせて仕事を進めること。
それも、私にとっては大切な仕事の形です。
人から見てわかりにくくても、私自身が働いていることを知っています。誰かにわかりやすく説明できないからといって、その仕事の価値がなくなるわけではありません。
50代は更年期の体調と人の視線に無理なく付き合いたい
更年期の時期は、体調だけでなく、気持ちも揺れやすくなります。
普段なら気にならない言葉が気になったり、人の視線を必要以上に考えてしまったりすることもあります。
「気にしなければいい」と思っても、気になってしまう。そんな自分に、さらに疲れてしまうこともあります。
だから私は、すべてを一度に変えようとせず、少しずつ微調整していこうと思っています。
たとえば、仕事について聞かれたときの説明を、あらかじめ簡単に決めておくこと。
「在宅で、フリーランスとして仕事をしています」
「会社には所属せず、個人で仕事を請け負っています」
まずはこの程度の説明で済ませ、必要以上に詳しく話さないようにしようと思います。それ以上のことを突っ込まれたら、
「自宅でパソコンを使った仕事をしています」とでも答えておきましょうか。
相手が納得するまで説明しようとすると、こちらが疲れてしまいます。すべての人に理解してもらおうとしなくてもよいですものね。
人の目を完全に気にしなくなるのは難しいものです。
それでも、「家にいることは悪いことではない」と、自分に言い聞かせるだけでも少し違います。
誰かの視線に合わせて暮らすのではなく、自分の体調と心地よさを基準にする。これも、50代の暮らしに必要な微調整なのかもしれません。
不安はあるけれど今ある仕事と暮らしを大切にする
仕事探しをいったんやめた今、私は今いただいている目の前のお仕事を大切にしたいと思っています。
ミスのない仕事をすることはもちろんですが、報酬に関係なく、期待以上の成果物をお返しできるよう、あえて少し時間をかけて丁寧に向き合うようにしています。
その想いが伝わったのか、最近では任せていただく仕事の量も少しずつ増えてきました。焦って外に仕事を探し回るよりも、いま目の前にあるご縁を深めていく方が、今の私には合っているようです。
ただ、収入が減った不安は、まだあります。
以前のように気軽に買い物をしたり、カフェで仕事をすることは減りました。必要なものを見直し、使うお金を考えるようになりました。
それでも、小さな楽しみまで全部なくしたいとは思いません。
暮らしを守ることは、ただ節約することだけではないからです。
毎日を少し心地よくするもの。疲れたときに気持ちを切り替えられるもの。自分を大切にしていると感じられるもの。
そうした小さな楽しみも残しながら、無理のない範囲で整えていきたいと思っています。
今後、条件に合う仕事が見つかれば、また応募するつもりです。ただ、焦って仕事を探し続けるのではなく、今ある仕事と暮らしを大切にしながら、自分のペースで考えていきたいと思います。
在宅で働けること。時間や組織に縛られすぎないこと。更年期の体調と付き合いながら続けられること。
私にとっては、こうした条件を守ることも大切です。
おわりに:田舎の視線より自分が心地よく続けられる働き方を大切に
今回は、フリーランスとして家で仕事をしている私が、田舎で暮らすなかで感じている「お仕事は?」という質問への戸惑いや、一日中家にいることで気になってしまう近所の人の視線について書きました。
会社員のように勤務先を伝えられるわけでもなく、自営業のように仕事内容を一言で説明できるわけでもありません。「フリーランスです」と答えても、さらに詳しく聞かれることがあり、そのたびにどう説明すればよいのか迷ってしまいます。
けれど、家にいる時間が長いからといって、何もしていないわけではありません。仕事をし、家のことをし、自分や家族の暮らしを整えています。更年期の体調と付き合いながら、無理のない働き方を選んでいるだけです。
前回の記事で書いたように、私はいったん仕事探しをやめました。今は、今ある仕事を大切にしながら、体調や暮らしを整えていきたいと思っています。収入への不安がなくなったわけではありませんが、焦って自分を追い込みすぎないことも、これからの私には必要な微調整なのだと思います。
それでも、秋になると、年に一度、地域の方々、ほぼ全員と顔を合わせる行事があります。普段はなかなか会わない人とも顔を合わせるため、正直今から少し気が重いです。
また「お仕事は?」と聞かれたら、私はなんと答えればよいのだろう。フリーランスという言葉だけでは伝わらないかもしれない。そんなことを、今から考えてしまいます。
けれど、毎回きちんと説明できなくても、私が働いている事実は変わりません。誰かに納得してもらうためだけに暮らしているわけでもありません。
人の目を完全に気にしなくなるのは難しいけれど、田舎の視線に疲れすぎないように、自分のペースを守っていきたいと思います。更年期の体調も、仕事も、人付き合いも、無理をしすぎず、これからも少しずつ微調整していきたいです。
